はじめに
中古ピアノの譲渡 =個人同士での譲り合い について 、少し個人的な考えを書いてみようと思います。
業者としてピアノやお客様のご様子を見てきた観点から、気を付けたいことや、確認しておくべきポイントなどをお伝えできるようまとめてみたつもりです。
ピアノを買うとき、
中古をお探しになる方は、きっとどこで買おうか考えると思いますので、参考にしていただけると嬉しいです。
個人間での譲渡
一昔前までは、そもそも個人同士でのやり取りは、ごく少なかったかと思います。
ですが今は、インターネット上や地域の広報誌など、様々な媒体でごく簡単に利用することが出来ます。
オークションやフリーマーケットなど大手の運営サイトでは、小物から大型の白物家電、車両、差押え品の競売などまで、ありとあらゆるジャンルの品物がやり取りされているようです。
●ごみも商品に!?
ここ数年では、これまでゴミだったような、空き缶やペットボトル・牛乳パックなどもやり取りされていて、驚きました。
確かに、学校の工作用に自宅で用意するよう先生に言われたような記憶がありますね。
そういえば牛乳パックをたくさん用意するのは結構負担だった気がします。
それも学習の一部?と思っていますが、アレルギーなどでそもそもご自宅で牛乳パックやそれに準ずるものをお使いにならないケースもあり得るわけで、今は一律で持参するように求められるとお困りになる家庭もあるでしょう。
格安で、きちんと洗った上に開いてある牛乳パックがまとまって手に入るのであれば、買いたくなる気持ちも理解できます。
まぁ、工作程度ではちょっとお金がもったいないような気もしますが・・・大量に使いたいアーティストさんとかは重宝するでしょうね ♪
●スマホで簡単に利用できるイメージ
スマートフォンというかなり便利なアイテムが一般的になった事も、個人譲渡が加速している要因のひとつになっているのではないでしょうか。 フリマアプリ/サイト・ネットオークションと呼ばれるものがたくさんあります。
もったいない精神とか環境保護とかの風潮?もあり、そこに気軽に利用しやすいサービスがあれば、利用者が増えるのもよくわかります。
使い捨てではなく、使えるものはリユースしようよ、という考えはとてもいいことだと思います。
多くの方は限られた家計の中で賢く買い物をしたいでしょうし、購入費用も割安であれば嬉しいですよね。
中古のピアノ
●中古ピアノとは
自分が所有するより前に、他の誰かが所有していたピアノ、ということになります。
前に誰かが弾いていたピアノ、というわけではないのが要注意点です。
所有していても、ほぼ弾いていないピアノもたくさんあって、酷いピアノは新品で購入してから、一度も調律をせず、数十年経過しているなんてこともありました。
あまり、弾くのに売りに出す、という人はいません。買い替えを検討する時くらいしかないような気がします。
●ピアノを手放す理由
・邪魔になった
・弾かない&弾いていない
・お金に換えたい
・引越しなどの不可抗力 or 他のピアノに買い替えたい
こういう時に考えます。
ほとんどが上から3つまでです。
一部の方は凄く弾きつぶして買い替えで売却することもあるでしょう。オーバーホールで費用が掛かるなら、他のピアノを買いたいな、と思う気持ちは自分がすごくピアノを弾いてきたのでよくわかります。
そのようなことから、いい状態のピアノは正直あまり出回るものではない、という事をご承知ください。
いいピアノは我々中古業者が高い価格で買取り出来るものですし。
メーカーや製造番号など、どういうピアノなのかも含めて、ただ形が"ピアノ"で"音が出る"だけで、もしお子様の最初のピアノに…なんてお考えでしたら、余りいお買い物 / 取引はできないので、おやめになった方がいいでしょう。たぶん。
双方それぞれに気を付けて欲しいこと
出品者側(お譲りになる方)
●出品理由
まず、なぜピアノを譲ろうとするのかと明確にしてください。
そしてそれはきちんと相手にお伝えいただきたいと思います。
●出品前に確認しておくこと
・ピアノのメーカー/モデル/製造番号
・いつから調律していないか
・調律の記録カードと内容
・音や鍵盤の動きは違和感ないか
・外装や鍵盤の汚れ具合、キズ
・椅子や敷物・付属品の有無
この程度は、素人でも出品者側であれば調べていただきたいです。
音が鳴らないとか、鍵盤の戻りが鈍いとかは誰でも分かるポイントですので、是非確認してみてください。
●送料について
取引が成立すると運送をどうするか、結構やり取りが大変ですので、下調べも抜かりないようにお願いしたいですね。
着払いでおくりますね~なんて事は無理です。
業者の選定から、搬出~移動~お届け先での搬入まで、双方で協力し合って調整することになると思います。
前もって出品者側で雰囲気程度は情報を集めておいた方がいいのではないでしょうか。
購入者側(譲り受ける方)
●理由を明確に
なぜ、「譲渡」という手段をえらぶのかを明確に。
楽器屋さんとか、我々のような中古ピアノの販売業者ではないのは、なぜ?
ピアノはレンタルすることも出来ますし、電子ピアノもあるけど?
オークションなど、有償での譲渡取引は尚の事、落ち着いて頭を整理してみてください。
●費用について
金銭的なやり取りが発生するようであれば、おそらくお支払する側になると思いますので、どういうやり取りで送料含めて総額がいくらになるのか、しっかりと方法とそのタイミングをご確認ください。先払い/後払い、一部だけ先払いとか。
0円で譲り受ける場合も、ピアノの場合は運送料が10万円近いなんてこともあります。
必ず確認してトラブルにならないよう気を付けてくださいね。
●目当てのピアノが見つかったら確認
・ピアノのメーカー/モデルから、どういう楽器なのかをWEBなどで調べておく
・最初の調律にいくら掛かりそうなのか
・汚れやキズは直さなくてもいいものか
・キャスターの敷物の種類(床や畳に直置きは重すぎるので原則NG)
・リセールバリュー
・その他、気になること
取引を成立させてしまう前に、心配なことは必ず確認しておきましょう。
ただ、ちょこちょこ何度も質問攻めにするのは、そもそもどんな場合でも相手にとっては迷惑です。
質問内容も明確に分かりやすくしないと、返事に困ってしまいます。
問い合わせる内容は、「○○について尋ねたい」など、まず一文ではっきりと書いてあげましょう。
そして、中古ピアノ業者ならではのアドバイスは、リセールバリューの調査です。
これから買うのに…でも売る時のことを考える、です。
ピアノによっては処分に困る場合がありますので、気になるようなら是非。
☆注意してほしいこと☆
ここまで色々述べてきましたが・・・
中古ピアノは、よほどピアノに精通している人でない限り、個人間での譲渡はおすすめではないです。
まともな状態のピアノって案外少なくて、メンテナンスしていないと正常に弾けるピアノなんて存在していません。音出るやん!は、弾けるのとは全然違っています。
弾きたくてピアノを用意するのであれば、ちゃんと弾ける状態のピアノをお探しになった方がいいです。
そして、何か不具合が起こった時に対処してくれるような業者さんや調律師さんを経由して、正常なピアノを購入なさってください。購入時の費用は掛かりますが、修理や調律料を相殺すると、きっとそう変わりません。
オークションやフリマサイトなどでピアノを手に入れたのであれば、よほどのことがない限り、その後起こりうる事態は許容して、直したり調整したりしながら、うまく付き合っていくしか無いという事をしっかり理解いただきたいです。
☆参考までに、中古ピアノの選び方をご覧ください。
締め
以上、 中古ピアノの譲渡 について私が気付いたことの羅列にすぎませんが、ここまで読んでくださってありがとうございます。
ちょっと業者側からの意見に傾いていますので、そこはご承知おきください。
少しでも何かの参考になれば幸いです。
中古ピアノをフリマで…
ハズレを引かないかちょっとドキドキするけど、すごい掘り出し物もきっとありますよ(^^♪
調律費用を差し引いても、すごくいいピアノが安く取引されていることもチラホラ。
過剰な冒険を好まない方は、是非私たちのような販売業者を頼ってくださいませ。
いつでもお問合せお待ちしております<(_ _)>