BOSTON UP132E

今回はこの BOSTON UP132E というピアノについてです。

ボストンピアノのロゴ

そもそも、BOSTONというピアノブランドをご存知でしょうか。

ピアノに限らず、音楽/楽器に疎い方ですと、
「ピアノって全部ヤマハじゃないの?」くらいに思われている事もよくあります。

BOSTONとは…
世界の名高いコンサートホールやピアノコンクールなどでほぼ確実に採用されているフルコンサート用グラントピアノで有名なSTEINWAY&SONSのセカンドブランドです。

さすがに、スタインウェイともなると家庭用サイズのピアノでもかなりの高額になります。
そこで、比較的安価に、けれどスタインウェイの思想をしっかりと受け継ぐようにと作られたのがボストンというブランドになります。

BOSTON-UP132E全体

スタインウェイが設計を、製造は日本のメーカーの工場で行われています。
その為、日常の取扱いがスタインウェイほど気難しくなく、耐久性も向上しているのに、音が良くて、安価なのが利点です。

またブランド自体がハイクオリティなので、
ヤマハやカワイですと最上級グレードのピアノとようやく比較できるようなイメージのラインナップだとご想像ください。

ボストンのアップライトピアノの支柱

支柱はコストダウンの傾向が激しい現在でありながらも、頑丈な極太の木材を惜しげもなく6本も使用しています。

現行モデルはモデルチェンジで、さらなる進化を遂げておりますが、旧モデルでもこれだけの充実した柱を使っているというのは、気合の入り方が違います。

そして、このピアノの最大の特徴でもある音質の部分は、やはりスタインウェイ設計ならではで独特な響き方をしています。

本来、ピアノとは”大きな音を出す”事が第一目標ではありません。
もちろんダイナミックレンジが幅広く大きな音が出せることは、ある意味良い事です。

しかし、これはどの楽器でもそうですが ”大きな音”=”良い音” とは限りません。
大きな音で且つ良い音が出せるのであれば一番いいのですが、ただの大きな音では騒音になってしまいます。

その点でいうと、ボストンのアップライトピアノは決してガツガツと大きな音を出す事に重点を置かれていないように感じました。

このピアノはアップライトの中では一番サイズが大きいのですが、それをうまく生かして非常に上品に、響きの豊かさを追及しているようです。

強烈な音圧こそないものの弦楽器や管楽器に近いような弾力のある感じで、ピアノのサイズ以上に豊かに鳴っているように聞こえます。スタインウェイだとサイズが小さくなるにつれてこのように聞こえる傾向がありますので、ボストンもアップライトでありながらさすがだなと感心しました。

ヤマハのピアノとはそもそもの音の鳴り方や響き方が全然違うので、隣に並べて弾き比べると
・ボストンは鳴りが悪い
・ヤマハはうるさい
と感じるかもしれません。

ですが、こういったピアノを比較検討するときは、その音の伸び、響き方、音質や音色の変化をしっかりと確認することが重要です。

何より、ピアノの演奏者がいざステージに立とうとする時に遭遇するのは、スタインウェイやベーゼンドルファー等が多く、毎日ヤマハで練習している人にとっては、それだけで相当弾きにくさを感じてしまいます。
強弱をつけたら、突然音色が変わったり。

ヤマハも利点はかなりたくさんあります。
全般的に音色の変化は若干乏しい傾向です。
ですが、強弱に関わらず一定の音質を保てるというのは、逆に優れた利点とも言えます。

スタインウェイもボストンもヤマハとは違う楽器で、違う利点を持っています。

しばらくボストンを弾いていると、ヤマハとの違い、スタインウェイとの共通点に気づきます。
弾きにくいと思うこともありますが、それは自分の技量の問題でもある気がします。
ヤマハはとても弾き易いので、自分の弱点を楽器がカバーしてくれていたのかもしれません。

一流の音楽家を輩出する世界の音楽学校では、学生の練習用でもほぼスタインウェイを採用しているほどです。
それだけ、表現や音質が音楽をする上で重要だということではないでしょうか。

今回ご紹介しているボストンのアップライトピアノは非常に繊細な表現を得意としています。
ご興味のある方は、動画をご覧いただくもよし、実際に弾いてみたいという方はいつでもご相談ください。

お待ちしています。

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