こんにちは!最近のブログはコロナの話題がつづいてしまいましたが、久しぶりに「 ピアノの音がでるしくみ 」の投稿です♪連載5回目「ピアノの音がでるしくみ-5」は、「共鳴弦」のお話です。

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ピアノの音がでるしくみ -1 音を鳴らすための重要な部分の概略
ピアノの音がでるしくみ -2 弦の張られ方(断面図)
ピアノの音がでるしくみ -3 一音に複数の弦が張ってある事について
ピアノの音がでるしくみ -4 「複数の弦」の張られ方

前回までのお話で、弦がどのように張られているかがわかったところで、もういちど断面図をみてみましょう。

ピンとヒッチピンの間で、弦に接触するポイントがあります。
「弦押さえ」「ベアリング」「駒」です。
(※ピアノによっては、「弦押さえ」と「ベアリング」を兼ねているものもあります。)

チューニングを出発した弦は「弦押さえ」と「ベアリング」で支えられ、「駒」そして「ヒッチピン」へ向かいます。
このうち、「弦押さえ&ベアリング」~「駒」の間で、ハンマーが弦をたたき、弦が振動します。
その振動を「駒」が響板へ伝え、大きく美しい音になります。実際にハンマーが打弦することで、振動するこの部分を「有効弦」といいます。

有効弦と共鳴弦

実は、実際には打弦されていない、「チューニングピン」~「ベアリング」部分も、有効弦の振動に共鳴して振動し、より豊かで輝いた音色を生み出します。
この部分を「共鳴弦」といいます。

共鳴の効果については、メーカーがさまざまな技術をもっており、有効弦と共鳴弦の音程が整数比になるような弦抑えが工夫されたり、通常1つの鍵盤に対して3本の弦になるところを4本とし、のうち1本をハンマーが打たないようにし、共鳴弦として活用する例もあります。

また、あえて共鳴を抑えるという考え方でつくられるピアノもあり、すっきりと落ち着いた響きが特徴です。

この「共鳴」の活かし方は、まさにアコースティックならではの、醍醐味といえます。

次回は、響板についてお話する予定です。