はい、コンニチハ~
今回はピアノの違いと演奏会の報告です。
昨日、今日は書くことがたくさんあって執筆が大変w
溜め込んだ話題を一挙公開中です。今日のはピアノが好きな人であれば興味津々の内容でござるよ。
ピアニストYUJA WANGのピアノリサイタルに続いて武蔵野音楽大学管弦楽団演奏会に行ってまいりました。ああ、長い。武蔵野音楽大学管弦楽団。漢字の感じが固いw
今度は長野だなんて遠方ではなく、行きやすい東京は池袋の芸術劇場(略して芸劇)。
この演奏会は武蔵野音楽大学が行っている定期演奏会シリーズの1つで、毎年秋はオケとピアノ協奏曲という献立。もちろん毎年曲は変わります。
今年はリストのピアノコンチェルト1番です。
自分の学生時代にもこの曲が曲目に上がっていたので、特によく知っていて楽しみでした。
それと、毎回気になっているピアノの状態についてですね!
今回、オケはよくまとまっていたと思います。特に大きな事故もなく。演奏も生き生きとしていて。ごくたまに大きくピッチがずれたり、音をはずしたり、といったことが起こるのは学生オケのご愛嬌ですが特に今回は何もなく。
とはいえ音大生ですから演奏会中に事故を起こして本当は愛嬌で済まされるような事態ではないのでございますが。
さて今回このブログで言いたいのは演奏の良し悪しではなく、前回までのYUJA仕様と武蔵野音大仕様のピアノの決定的な違い、についてです。
そもそも日本の音楽大学のほとんどで国産メーカー、特にYAMAHAのピアノが使われているのではないでしょうか。そして多くのピアノを専攻する学生がYAMAHAかKAWAIで自宅練習に励んでいるはずです。一部の高級ブランドピアノを所有されている方は別。価格的にも庶民はなかなか手が出せません(''Д'')
国産メーカーが悪いわけではないですが、自分が中古ピアノ会社で働くようになり、STEINWAYやBösendorferを弾く機会が多くなってきたことで気づいた”国産メーカーとの違い”はピアノを弾く上で非常に重要なことでした。
普段はYAMAHAで練習しているのに、本番だけ突然STAINWAYのフルコン(フルコンサートグランドピアノ)だなんて絶対うまく弾けやしない。なーんでかっ!!!
ピアノなんてどれも一緒じゃろーが、なんて思ってませんか??全然ちゃう!
まずは鍵盤が違う。鍵盤の材質。鍵盤の細部のデザイン、奥行き、重さ、弾いた後の戻りの速さ…
さらに、もっと違うのが音。大ホールの奥までオケに負けずに音が届くか。小さい柔らかい音はどの程度の力で弾けばいいのか。その場合、どれくらいの柔らかさで弾きたいのか。逆に固い音を求めるときはどの程度か。
YAMAHA KAWAIって結構ぶっ叩いて強く弾かないと最強に大きな音量って出ないんですよ。でもやりすぎると音が潰れてきてしまう。要するに無理して出している音に聞こえることが多いんです。
ここからが不思議なところ。steinwayフルコンクラスでは大きな音を出そうとして鍵盤をぶっ叩いてみたとします。それなりに大きな音は出ますが、YAMAHAとかのようには鳴りません。本当に不思議。Bösendorferも一緒。いや、もっとそうかも。鳴ってくれないんです。
がなり立てず、響きを大事にしてよくよく響かせて、響きでもって大きな音にするような感覚というのかな。そうするとようやく鳴ってくれます。管楽器の経験者だとよくわかるかもしれないけど。無理せずに”大きく響かせる”ということ。
YUJAのピアノは本当にいい状態でした。固い音も柔らかい音も自由自在。よくホールを響かせていました。ただ、音大の演奏会はいつもそうですがせっかくのSTEINWAYでありながらその良さが全然引き出されていない。でも先に書いたように、本番だけいいピアノ出されても弾けるけど、鳴らしきれないんです。
だって鳴らし方がわからないんだもん。自分は自宅がYAMAHAだったし。仕方ないから普段通り弾いてみるんです。でもどうも弾きにくい。自分の技量は棚に上げといてたとして。なんかしっくりこない。
ではどうするか。演奏者はいまさら変われない。ピアノ を弾きやすい状態にした方がいいよね??
その結果…
柔らかい音、出てないよね?出せない ピアノ なのか?小さい音は出るけど。大きい音はビンビン鳴ってる。割れ気味?せっかくのピアノを調律師に頼んでデチューンしちゃったようで。性能を落とすことですね。
曲自体がそんなに柔らかい音を多く求めるタイプではないけれど、ちょっと ピアノ 酷くない?っていつも思ってます。大学も少しでも普段からいいピアノで練習させてあげればいいのに。もったいない。
なぜか日本人はSTEINWAY=よく鳴るピアノと思っている人が多い傾向にあります。全然違います。
正しくは世界の一流ピアノ=よく響くピアノです。
お間違いにならぬようご注意を。
ではでは。